2018年9月―今年は本当に大天災が多いですね。
今月も6日未明に北海道で震度7の大地震が発生しました。
最近の研修参加者の中にも
直接的な影響を受けた方がいらっしゃり、
大変な状況を何とか乗り切った(対応中)とのことでした。
この記事を書いている今も大型の台風が
日本を縦断する予報が出ており、
「またか…」という感じです。
お互い、十分に気をつけて参りましょう。
先日、YouTubeでAI関連の対談映像を視聴している際に、
日本のAI研究で有名な東京大学大学院の松尾准教授が
指摘していたコメントが印象的でした。
「AI研究の推進と発展のためにここ数年、
様々な場面で話をしてきたが、
残念ながら日本のAI研究・技術レベルは
遅々として高まっていない。
本当に危機感がなさすぎる、感度が鈍い。
一人でも多くの技術者や経営者、
ビジネスパーソンがもっと本気になって取り組まないと、
この分野でも日本は苦汁をなめる結果になるのは必至だ」
という主旨のコメントでした。
温和なイメージの松尾教授が怒りと焦りを顕にしてらっしゃいました。
AIへの取組み方の良し悪しというより、
「感度、本気度、スピード、チャレンジの欠如」が
今直ぐに改めるべき本質的な課題だ、
というメッセージと感じました。
深めたいテーマを見つけ、
スピーディーにチャレンジし続けること
―私たちもこれまで以上に意識して実践して参りましょう!
さて、2018年9月の言葉は、激変する事業環境の中で問いかけたい言葉、
『俯瞰力(ふかんりょく)』
をお送りします。
『 「俯瞰力」―高い視点・視座から物事を捉える力。
眼前の事象に囚われることなく、
冷静に広い視野から全体像を把握する能力。
「俯」は「うつむく」、「瞰」は「見下ろす、
高いところから眺める」という意味の言葉。
日々の仕事や問題解決に追われて、
あっという間に一日が終わってしまう…。
眼前で起きる変化に翻弄されて、
自分の想いとは異なる方向へと流されてしまう…。
そんな毎日になっていないだろうか。
疲労感と焦りが募り、前に進もうとする活力、
エネルギーが奪われてしまっていないだろうか。
落ち着いて、大きく深呼吸をし、
自分、仕事、世界を俯瞰する時間を持ってみよう。
慌ただしい日常では見えなかったものに、
たくさん気づくことができるはずだ。
本当に自分が大切にしたいこと、
優先したいことが明確になっていくはずだ。
変化が激しい時代だからこそ、
“俯瞰力”を養い、使っていこう』
自分自身や取り巻く環境を「俯瞰」する時間、
自分と向き合う時間を最近いつとりましたか?
私は、「一所懸命、一燈照隅」 という言葉(考え方)を信条としています。
“今、その瞬間に心を向けて真剣に取組み、
(自分が在る)その場所を明るく照らすような仕事を、
生き方をしていこう”というものです。
この考え方は今後もずっと大切にしていきたいと思う一方で、
目の前のことへの対応に心と時間を奪われると、
気づかぬうちに
「目先への対処そのもの」が目的となってしまう傾向が強い、
そんな自分であることも自覚しています。
結果、より大切なことへ時間を使えていない、
問題の根本解決に至らない、
周りの人たちに余計な時間や気苦労をさせてしまう、
成果や価値が生まれにくい方向へとミスリードしてしまう…と
いう失敗を経験してきました。
従って今は、月に1回は「俯瞰する、
自分と向き合う時間」を必ず取ることを
ルーティンにしています(A+Wordもその一環です)。
「あまりできていないな…」と感じる方は、
ぜひ質の高い振返りと「自分俯瞰」、
定期的に実施してみませんか。
『我々はもっと自在でありたい。
自在にものの見方を変える心の広さを持ちたい。
何ごとも一つに執すれば言行公正を欠く。
深刻な顔をする前に、ちょっと視野を変えてみるが良い。
それで悪ければ、また見方を変えれば良い。
そのうちに、本当に正しい道が分かってくる。
模索の本当の意味はここにある。
そして、これができる人には、“ゆきづまり”はない。』
松下幸之助(日本/松下電器産業(現・Panasonic)創業者)
『物事の全体を俯瞰する視界を持ち、
目の前の状況を自分にしっかり引き寄せて、
"私ごと"として考える姿勢から始めてはどうだろうかと思います。』
倉本 聰(日本/脚本家、劇作家、演出家)
「俯瞰力」―
変化の渦に巻き込まれてしまうと、
今立っている場所や向かいたい目的地を見失うことがある。
目先のことに邁進しすぎるがあまり、
大切なことを疎かにしてしまうことがある。
“今”に懸命に取り組む姿勢は素晴らしいが、
それがありたい状態に向かっているかは確かめたい。
穏やかに、内面に心を向けて、
時には自分と世界を「俯瞰」してみよう。
周囲の美しい景色が、
あなたを支えてくれる素敵な人たちが、
そしてあなたが歩むべき道が、
鮮明に見えるだろう。
そして、“今”の活動と“ありたい未来”とが、
確実につながっていくだろう。 |