2016年―新たな年が幕を開け、
もう1ヶ月が過ぎようとしております。
皆さま、
弾みのつく素晴らしいスタートを切ることができましたでしょうか?
私の一ヶ月は色々と考えさせられることの多いひと月でした。
年末に複数の友人から相談を頂き、
私の経験でできる支援(研修やコンサルティングなど)を、
年始早々立て続けに実施したのですが、
実感として本当に役に立てたのか、疑問の残る内容になってしまいました。
まだまだ準備が足りなかった、
進め方に問題があった、
双方向でコミュニケーションする時間をもっと取るべきだった…など、
振り返れば反省点はたくさん思いつくのですが、
一番の原因は
「信念を持って、本気で相手と向き合いきれなかったこと」
にあると感じています。
この業界の門を叩いて今月で丸15年。
コンサルティングや研修に従事してきた時間は
10,000時間を超え、
表層のスキルはそれなりに身に付いてきているが故に、
無意識にそれに甘えている自分がいるのではないだろうか―。
ノウハウや手法よりも大切なことは「想い」「信力」「情熱」。
42歳の誕生日を迎えた今、初心を思い起こし、
チャレンジャー的精神で
一つひとつの仕事に向かっていこう、
そんな想いを強くした2016年1月です。
そんな2016年1月のスタートワードは、
真の成長と発展の為に深めたい言葉、
『質実剛健(しつじつごうけん) 』
をお送りします。
『“質実剛健”とは、
中身が充実して飾り気がなく、心身ともに強くたくましいさま。
「質」は質朴、「実」は誠実の意で、
「質実」は飾り気がなく、まじめなこと。
「剛健」は心やからだが強く、たくましいこと。
仕事において目指したい姿、それは“質実剛健”であることではないだろうか。
表面をどんなに繕っても、
その場の対応力で一時はやり過ごせても、
中身がホンモノでなければ継続的な成果は得られない。
心身共に健やかで強い状態でなければ、
質の高い仕事を生み出し続けることはできない。
変化のスピードが速く、
情報過多な時代であるからこそ、
本質的な内容の充実に努めたい。
逆境にあっても一歩踏み出す勇気が湧いてくる、
そんな強い心身を養いたい』
今思い返せば、
私の父の仕事ぶりは「質実剛健」であったように感じます。
父は民間の製造業から転職し、
国家公務員として定年まで勤め上げたのですが、
朝は非常に早く、
夜は出かける時に宣言した時間に必ず帰ってきました。
稀に職場の上司や同僚が我が家にきて
酒を酌み交わすこともあったのですが、
その時の飲み方は半端じゃなかったと記憶しています。
生真面目で、自分の仕事には
とことん細部にまでこだわる凝り性でした。
「信念を曲げるな」
「始めたことは最後までやり通せ」
「おべっかは使うな」
「いい加減な仕事をする奴がいたら上司でも徹底的にやり合え」など、
酔うと口癖のように語っていたのを思い出します。
こんな融通が利かない頑固な気質でよく職場でもぶつかったためか、
出世はしなかったのですが、
父の友人の話によれば、
その仕事ぶりや品質は周囲も一目おいていたようで、
頼りにしている人が大勢いたようでした。
父の“酔い語り”が一番多かったのは、
私が中学・高校のころなので、
父が40前後、今の自分と同じぐらいの年齢です。
「信念を貫いた仕事をしているか」
「細部にまでこだわった仕事をしているか」
「表面だけ取り繕うようなことをしていないか」
―あの頃流して聞いていた言葉が、
今は心に染み入ります。
「実」あるより質の高い仕事に向けて、精進あるのみです!
『一見たいしたことのない仕事でも、
思い切って全力を注ぐことだ。
仕事を一つ征服するごとに実力が増していく。
小さい仕事を立派に果たせるようになれば、
大きい仕事の方はひとりでに片がつく。』
― デール・カーネギー(米国・実業家、作家、セミナー講師)
『びっくりするような好プレイが、
勝ちに結びつくことは少ないです。
確実にこなさないといけないプレイを、
確実にこなせるチームは強いと思います。』
―イチロー(プロ野球選手、2015?マイアミ・マリーンズ所属)
「質実剛健」―
“ホンモノ”だけが選ばれ、生き残れる時代は既に訪れている。
情報が低コスト・超スピードで共有される今、
そこそこレベルのモノ・コト・仕事では、
その価値は急速に失われてしまう。
この流れは更に加速していくだろう。
どんなに表面を美しく装ったとしても、
「実(内面)」をごまかすことは決してできない。
仕事だけではなく、
人の身体や心にも通じる自然の摂理である。
どんな環境でも必要とされる存在となるために、
自信に満ち溢れた自分となるために、
そして毎日を充実したものとするために、
「質実剛健」を目指していこう。 |