春を感じる季節になりました。皆さん、お元気でしょうか。
3月は色々な意味で「締めくくり」を感じる月ですね。
そして2年前のあの日から、
「生きること」や「絆」について深く思いを馳せる月にもなったと個人的には感じます。

自分は仕事もプライベートも充実できているだろうか？

日頃、支えてくれている周囲の人たちへ思いやりを持って接しているだろうか？

自分は学び、成長しているだろうか？ 独りよがりな言動をしていないだろうか？

新たな素晴らしいスタートに向けて、
今だからこそ、深く内観する時間を取りたいと思います。

さて、今月のキーワードは、夢の実現に向けて意識したい、
『小積りて大となる(しょうつもりてだいとなる)』
をお送りしたいと思います。　　

『大事をなさんと欲せば、小さなる事を、怠らず勤むべし。小積りて大となればなり。』　
―　二宮尊徳　「二宮翁夜話」巻之一の一四より

「大きな事を成そうとするのなら、小さなことも疎かにせず、
真面目に取り組むことが大切だ。
小さなことが積み重なって、大きなことが成るのだ」

仕事だけでなく、人との信頼関係にも通じる重要な考え方。二宮翁の話はさらに続く。

「器の小さな人間ほど大きな結果を望む割には小さな努力を怠り、
うまくいかないことに機嫌を損ね、できる事もやろうとしない。
だから最後まで何もできずに終わってしまう。

これは小さな物の積み重ねが大きなものを作り上げるということを知らないからだ。
百万石の米でも米の粒が大きいわけではないし、
どんなに広い田んぼも一鍬ずつ鍬を入れることによって耕され、
千里の道も一歩ずつ歩いて行くことによってたどり着くことができ、
大きな山も一簣の土が集まって作られている。

このことを頭に入れて小さなことから頑張っていけば、
最後には大きな成功を収めることができる。
小さなことを疎かにする者は大きな結果を得ることはできない」

そんなことは百も承知だよ・・・と流してしまいそうな内容ですが、皆さん、いかがでしょうか。
「小さなことの積み重ね」によって、大きな成長を獲得できた、
大きな変化を生み出すことができる、大きなチャンスを掴むことができる、
このような事例は世の中にたくさん転がっています。

私自身も今振り返れば、前職のコンサルティング会社では、
「小さな雑事にも懸命に取り組む姿勢」があったからこそ、
それを見てくれていた上司や先輩から、様々なチャンスを頂けたのだと確信しています。

出社時の挨拶、納期前の報告書提出、デスク周りの整理整頓、
シュレッダーのゴミ袋の差し替え、メールへの早いレスポンス、
分からなくても自分なりに考えてから出す企画書や議事録、
メールで済まさずに足を運んでのお願い･･･などなど、
全て出来ているわけではなかったけれど、意識して実行しようとはしていました。
なにせ、全く経験も知識もない中での転職だったので、
小さなことを懸命にやって、しがみつくしかなかったのです･･･。
しかし、結果としてこの姿勢が、「やりたいことに携われている今」を創ってくれているのです。

『小事に喜びを感じる人を見るならば思え、彼は既に大事を成し遂げたのだ』
―　ヨハン・ゲーテ

『試合はもちろん、毎日の練習も体調管理も、一切力を抜かずにやり続ける。
その繰り返しによって、確固たる自信が少しずつ築かれていくものだ。
「自分はそうしてやってきた」という誇りが、前向きな姿勢にもつながる。』　
― 三浦知良(カズ)

「小積もりて大となる」―
小さな一歩こそ大切にしていこう。そして継続してゆこう。
その活動はいつか必ず「大きな成長と変化」へ、そして「周囲からの厚い信頼」へとつながるから。
皆さんは、一見雑用に見えるような「小さな仕事」にも懸命に取り組めていますか？
今担当している仕事に、誇りをもって取り組めていますか？