７月も終わりに近づき、季節は夏まっさかり。
そのイメージとは裏腹に最近涼しい日も多く、
体調管理が微妙に難しい今日この頃ですが、皆さん、順調でしょうか？

夏の参院選、大方の予測通り自民党が圧勝―。
衆参「ねじれ」が解消され、久方ぶりの安定政権、
地に足のついた「重要課題」への対応が期待されています。

超高齢化社会と社会保障改革、人口減少社会における経済対策、
1,200兆円を超える大借金の返済、老朽化するインフラへの対応、
教育システム改革、TPP、地方分権、集団的自衛権をどうする？…
数え上げればキリがない重要課題たち。

まずは基本に立ち返り、「ありたい状態」を描くこと。
そして、それらを軸に課題を取捨選択(優先順位を決め)、
一つずつ確実に、成果実感を伴う形で進めることが必要だ。
改めて、政治家に期待するだけでなく、
私自身もこれらの課題を「自分ごと」として捉え、
自分の「現場」でできることを少しでも進めていきたい。
「自分の」かけがえのない人生を、仕事を、国を、
自らの手で素晴らしいものにしていきたいから。

さて、今月のキーワードは、そんな今の政治に、
そして自己革新の場面で意識したい考え方
『先憂後楽(せんゆうごらく)』
をお送りしたいと思います。　　

『憂い事(心配ごとや面倒ごと)は先に片づけ、その後でゆっくり楽しむ意。
為政者、志士、仁者の持つべき心構えを説いた言葉。
天下国家の重大な問題を先に立って予見し、心配し、それを解決。
我が身の「目先の楽しみ」は後に回し、
天下や人民の喜びや楽しみ、長期的な幸せを優先させる―。

広く目と耳と心を開いて物事の本質を捉え、本当に大切なことを優先させる。
たとえその選択が、目先では痛みや不利益を伴うものであっても、
勇気と覚悟をもって「重要事項」を断行する―
国だけでなく、人の人生の選択にもそのような瞬間が必ず必要である。』

皆さんは、本当に「大切なこと」に時間を使えていますか？
目先の問題解決や利益を得るためではなく、
中長期の視点で「大切なこと」が明確でしょうか？

先憂後楽―「後楽園」の名前の由来とも言われているこの考え方、
なかなか難しいですよね。
コンサルタント、ファシリテーターという仕事をしていながら情けないのですが、
私自身、目先の「雑事」に囚われてしまう、
新たなチャレンジより変化の少ない「無難な選択」をしてしまう傾向が強いと自覚しています。
今でも、ちょっと油断すると「後悔！」という状態になりかねません。

従って、様々な場面で意図的に次のような言葉を自分に投げかけるよう心がけています。
「本当にその時間の使い方でいいの？」
「それ、絶対に先送りしない方がいいよね？」
「それって、本当に今やらなきゃいけないこと？」　
「その選択、楽な方に流れていない？」
「その作業に時間と労力を使って、本当に意味あるの？価値あるの？」

また、自分だけの問いかけでは限界があるので、
恩師や大切な友人にもこういった視点でチェック、フィードバックをいただく機会を
定期的に設け、「本当に大切なこと」を明確にし、
少しでも「先憂後楽」的な活動になるよう、怠惰な自分を律している毎日です。
一度きりの人生、戻らない時間―「本当に大切なこと」に集中し、
後悔しない充実した時間を過ごしていきたいですね。

『ビジネスでは、６ヶ月早くやっていれば良かったということはある。
しかし、６ヶ月先延ばしにすれば良かったということはまずない。』
― ジャック・ウェルチ（元ゼネラルエレクトロニックCEO）　　

『速やかならんを欲すればすなわち達せず、小利を見ればすなわち大事成らず。
(早く成果を出そうとあせっては物事を誤り、目先の利益を追っていてはついに
大事を成すことは無い)』
― 孔子　（思想家・哲学者/中国）　　　

「先憂後楽」―
今、そして将来の自分にとって「本当に大切なこと」って何だろう？
本当の自分はきっと分かっているはず。

今、何に注力すべきなのか、何処に時間を使うのか。
先が不透明で、もしかしたら転んでしまうかもしれないけど、
あなたの直感がその道を選ぶなら、
臆することなく決断しよう。

一歩前に進もう。その先の情景は、きっと素晴らしいはずだから。