2012年11月―日本とアメリカでは、政治が慌ただしく動いた1ヶ月でした。
11月6日、アメリカ大統領選挙ではバラク・オバマ現大統領が
共和党候補のミット・ロムニー氏
を破り、
再選を確実なものとしました(正式には1月6日大統領選挙人による投票にて決定)。
その10日後の11月16日、日本においても野田総理が衆議院解散を突然表明。
衆議院総選挙が
12月4日公示、16日に投開票されることとなりました。
今年も残りわずかな時期での混乱。
いろいろと見方はあるでしょうが、
私は2013年を真に素晴らしい一年にするために
必要な「変化、混乱」であると前向きに捉えています。
日本に山積する様々な課題―私たち一人ひとりが
「自分ごと」として捉え、小さくてもいいから、
できること(変革)を一つずつ実行していこう・・・そんな決意を新たにした11月でした。
さて、今月お届けする言葉は、全ての社会人が自覚したい言葉、
『ノブレス・オブリージュ ( noblesse oblige ) 』
をお送りしたいと思います。
―「ノブレス・オブリージュ」 フランス語が語源
直訳は「高貴さは(義務を)強制する」。
日本語訳は「位高ければ徳高きを要す」。
ノブレス″とは、「貴族的な、高貴な存在」が元々の意。
より広く解釈すれば、
「社会や組織に対し影響力を持つ人」とも捉えることができる。
オブリージュ″とは、「義務を負わせる」の意。
自己の利益を追求するだけでなく、
「社会への貢献・共存共栄に向けた活動」にも責任を負っているということ。
「高貴な(影響力の高い)存在」とは、政治家や医者、企業トップだけではない。
全ての人たちが、家庭人として、社会人として、組織人として、
何らかの影響力を周囲に発揮しているはずである。
故に、私たちは「社会・周囲に対する前向きな貢献」を
少しずつでも実行していく使命があるのだ。
「日本にはリーダー的な存在がいない」 「日本ではリーダーがなかなか育たない」
・・・といった言葉をここ数年、よく耳にします。
本当にそうなのか、という議論は見方によって様々な見解があるとは思いますが、
仮に「リーダーが育ちにくい」という傾向があるとすれば、
原因の一つは、この「ノブレス・オブリージュ」の精神が
希薄になっているからかもしれません。
経済停滞が20年も続き、
「今の自分の生活を守ることで精一杯。
未来のための投資や社会貢献が大切なのは理解しているが、
今やれる状態にない」という考え方で選択・行動する・・・、
こんな人が多い傾向にあることはおそらく事実でしょう。
しかし、このような考え方で選択・行動をし続けた先に
待っている結果は、皆が分かっています。
目先の事に囚われ問題を先送りにすれば、
将来への心理的不安は更に高まり、勇気が奪われ、 活
動そのものが停滞、結果として更なる衰退を招く・・・という
ネガティブ・スパイラルを生みだします。
日本は、既にこのスパイラルに入っているといっても過言ではないでしょう。
これ以上、ネガティブ・スパイラルの渦中にとどまる訳には参りません。
ノブレス・オブリージュを貫き、「自分の利を捨て、利他の精神で」のレベルまでは
難しいかもしれませんが、自分の仕事や役割に「誇り」を持ち、
目先の小利に流されない意思決定を心がける、周囲の人たちが喜ぶ、
元気になる小さなアクションを毎日1つでも自ら実践する、
まずはこんな活動から始められないでしょうか。
『自分のできることをとことんやってきた、という意識があるかないか。
それを実践してきた自分がいること、継続できたこと、そこに誇り″を持つべきだ。』
〜 イチロー
『責任を今日逃れることによって、明日の責任から逃れることはできない。』
〜 エイブラハム・リンカーン
「ノブレス・オブリージュ」―この言葉にある「高貴さ」とは
単に身分や地位に対するものだけでなく、仕事への取組み姿勢、
生き方そのものに対するもの。
この精神をベースに「誇りと勇気」をもって選択していこう。一歩ずつ行動していこう。
素晴らしい未来を皆で築いていくために、そして自らの人生を充実したものとするために。 |