やっと暑さも一息ついて、秋の気配が感じられるようになってきました。
今月の9月11日で、アメリカの同時多発テロから11年、
東日本大震災から1年半という節目をむかえました。
時の流れは本当に早いな・・・と感じると同時に、
自分はどのぐらい「貢献」をしてこれただろうか、
自分はどの程度「成長」できただろうか、
といった想いも頭をよぎります。
「秋の夜長」に、時間をつくり、 静かに自分を見つめ直してみたいと思います。
さて、今月お届けする言葉は、古くから大切にされてきた日本人の価値観、
『自反尽己(じはんじんこ)』
をお送りしたいと思います。
―「自反」とは、指を相手に向けるのではなく、
自分自身に向けることの意。
「尽己」とは、自分の持てる全力を尽くすことの意。
人は問題に直面したとき、
自分にとって不都合な事態に遭遇したとき、
とかくその
原因を他者や環境にあると考え、
自分には「どうしようもない」と捉えがちである。
しかし、厳しい状況の時こそ、
より良い何かを得る(成長する)大きなチャンス。
全てを自分の責任と捉え、引き受け、
全力で立ち向かうことができたなら、
どのような結果となっても
「より良き未来」につなげることが必ずできるのだ。
皆さんは、難しい問題に直面したとき、
どのように反応し、対処することが多いでしょうか?
歴史上大きな成果を残した偉人たちを調べても、
これまで研修でお会いした優秀なマネージャーや
リーダーたちとのやり取りを思い起こしても、
確かに共通して持っていると感じる考え方、それは、
「自分自身に矢印を向ける」
「全ての原因は自分の中にある」
「主体となって生きる」・・・といった、
正に『自反尽己』という価値観です。
上手くいなかい理由を他責にせず、
今の自分に何ができるかに思考をフォーカスし、
逃げずに全力で事にあたっていく・・・。
このような「考動」を常に実践できたなら、
確かに問題そのものを解決できる確率は高いでしょうし、
もし、その時点で望む結果が得られなかったとしても、
その問題への対処から大きな学びを得ることができるでしょう。
しかしながら、皆さんもお感じの通り、
「頭では理解できるけど、
実際に実践するとなると難しい・・・」内容でもあります。
では、このような考え方や行動を継続できる人
(=自反尽己の人)にはどんな共通する特徴があるのでしょう。
私なりにその特徴を整理してみました。
・ 人の話に謙虚に耳を傾けている、また、そういう機会を多く持つように心がけている
・ 問題に対して逃げずに対応した経験を持っている(成功か失敗かに関わらず)
・ 周囲の助けがあってこそという感謝の気持ちを持っていて、それを表現している
・ 自分の「強み」と「弱み」を分かっていて、それを受け入れている
・ コツコツと継続してやっている「何か」がある
・ 根拠がなくとも「最終的には何とかなる」という自信を持っている
私も、「自反尽己」という価値観を伝える立場にも関わらず、
いつの間にか問題から逃げて
卑屈になっていると指摘されることが未だにあります。
指摘してくれる友人、恩師には本当に感謝です。
やはり、人間、日々精進ですね。皆さんはいかがでしょうか?
『人間は調子のいいときは、自分のことしか考えないものだ。
自分に不運がまわってきて、人にも世間にも捨てられ、
その日その日の苦労をするようになると、
はじめて他人のことも考え、見るもの聞くものが身にしみるようになる。』
〜 山本 周五郎
『主体的になるということは押しつけがましくなることではなく、
賢くなることなのだ。
価値観に基づいて行動し、現実を正しく認識し、
その中で他人の気持ちや周りの状況を理解することなのである。』
〜 スティーブン・R・コヴィー
「自反尽己」に生きる―
それは結果として、自分らしく、生きたいように生きることを可能にする。
皆さんは、自分を信じて、まっすぐに問題と向き合えていますでしょうか? |