暑さが日に日に厳しくなっております。
ここ数年を振り返ると、年を追うごとに暑さが厳しくなっており、
日本もとうとう亜熱帯地域になってしまったか…と感じるほどです。
うだる様なこの暑さですが、ふとお日様と青々とした空を仰げば、
「日本人よ、心の熱を取り戻せ!」と叱咤激励されているようにも感じます。
節電・省エネが広く叫ばれていますが、
「心の熱」は節せず、どんどん放出していきましょう!
さて、今月ご紹介する言葉は、
『立志照隅(りっししょうぐう)』
という言葉です。
―志を立てて、自分の居場所を照らす。
換言すれば、その場になくてはならぬ人になるということ。
最も身近な自分のいる場とは、自分という場に他ならない。
志をたて、自分の心を照らし、その温かさと勇気をもって周囲も照らし続けよう。
皆さんは『志』と呼べるものを持っていますか。
自分の人生を賭してでも成しえたい何か、
夢中になって時間を忘れてしまう何か、
考動することが楽しくワクワクする何か、
自分の「天命」だと感じられる何か…。
そのような『志』を見つけ、それに向かって懸命になれる人生は、
本当に素晴らしい、充実した人生だろうと感じます。
私は、おぼろげながら『志』なるものが見えているような気がしますが、
しかし、まだ霧の中という感じで、
具体的に「これ!」と確信できるものは正直見つかっていません。
しかし、きっといつか、見つかる(めぐり会える)と信じています。
歴史を振り返れば、日本を含めた今のこの世界を紡いできた原動力は、
先人たちの『志』でした。
自分の小我に囚われることなく、信念に従い、
国や社会のために一所懸命に行動した志士たち。
その志士たち一人ひとりの『志』が、周囲を照らし続け、
その光がやがて集まり、国中を照らし、
時には奇跡的と称される「行動のうねり」を発生させ、
この豊かな社会を創ってきたのでしょう。
この世界も、人も全てが奇跡・・・。
ご存知の方もいらっしゃるとは思いますが、
人間としてこの世に生まれる確率は、
わずかどころか、奇跡のようなものだそうです。
筑波大学名誉教授でDNA解明の世界的権威である村上和雄博士によれば、
「1億円の宝くじが百万回連続で当たる確率が、人間の細胞1個の生まれる確率です。
つまり、一人の人間の細胞は、約60兆個あるので、
1億円の宝くじが百万回連続で当たる確率 × 60兆個 = 人間に生まれる確率です。」
…だそうです。まぁ、計算したくなくなるほど天文学レベルの奇跡というわけです。
ですから、私たち一人ひとりは、既に「奇跡的な存在」なのです。
生きているだけでも、とても価値のある尊い存在なのです。
そして、その可能性もまた、天文学的なレベルで、無限に、あるはずなのです。
いかがでしょう、今一度、「自分という奇跡」を見直して、感じてみませんか。
自分の中にある「可能性」を信じてみませんか。
そして、勇気を出して、自分の信じる道=『志』を真剣にたててみませんか。
ある見方をすれば、不確実で、不透明で、
不安の渦巻く先行きばかりが気になってしまう世相ではありますが、
別の見方をすれば、誰かが引いたレールや価値観、相対の世界ではなく、
「己の信じる道」を自由に闊歩できる、
より良い変化を直に感じることができる面白い時代とも言えるではないでしょうか。
『立志照隅』していきましょう。
可能性の扉を自ら閉じてしまわないように。
尊い存在である自分を自ら蔑むことのないように。
そして、あなたとこの国のより良き未来を築いていくために。
志を立てよう。本気になって、真剣に志を立てよう。生命をかけるほどの思いで志を立てよう。
志を立てれば、事はもはや半ば達せられたといってよい。
志を立てるのに、老いも若きもない。
そして志あるところ、老いも若きも道は必ずひらけるのである。
(中略)過ぎ去ったことは、もはや言うまい。かえらぬ月日にグチはもらすまい。
今まで他に頼り、他をアテにする心があったとしたならば、潔くそれを払拭しよう。
大事なことは、自らの志である。自らの態度である。
千万人といえども我ゆかんの烈々たる勇気である。実行力である。
志をたてよう。自分のためにも、他人のためにも、そしてお互いの国、日本のためにも。
―松下幸之助 『道をひらく』より
「偉くならくてもいい。どうか、感じのいい人になってください。
そして、どこにいても“一隅を照らしている”、そんな人になってください」
―3年B組金八先生の言葉より |